精神医学 世界の見え方と気分(mood) 抑鬱状態の方はよく、「生きがいがない」「生きる価値がない」「生きる意味・目的が分からない」と仰る。 その言葉には、「自分は人生に生きる意味を見出すことができないから抑うつとなっていて、生きる意味をもし見出すことができたら気分が晴れ、... 2023.03.03 精神医学
精神医学 心の病と身体の痛み 精神科の患者さんたちの中には、心の症状とともに、身体の症状を訴える方が少なくない。心の病と身体の症状に関する自論を記したいと思う。 まず、身体の症状は非常に重要な情報である。医師も、患者さんも、身体の症状を軽視してはいけない。 ... 2023.02.25 精神医学
精神医学 ヴィパッサナー瞑想③ 今回は、ヴィパッサナー瞑想の勉強を通して得た、自分なりの考察を記そうと思う。 まず、「苦」に関して。 ブッダは、心の反応はすべて苦であると喝破した。嫌悪という反応が苦であるのはもちろん、心地よいという反応ですら、それが積み重な... 2023.02.08 精神医学
精神医学 精神科診療のジレンマ 日頃精神科外来で患者さんを診る中で、たまに、「この患者さんは精神科を頼らない方が良いだろう」と思うことがある。しかしそれをそのまま患者さんに上手く伝えることが出来ず、もどかしい。そんな葛藤をご紹介したい。 仕事がつらくて精神科を受診... 2023.01.21 精神医学
精神医学 ヴィパッサナー瞑想② ウィリアム・ハート氏の「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門」(春秋社, 1999/11)を繰り返し通読し、だいぶ理解が深まった一方で、やはり分からないことも多い。 現状の理解を、一度まとめようと思う。 ・渇望や嫌悪の心の反応は... 2023.01.20 精神医学
精神医学 ヴィパッサナー瞑想① ウィリアム・ハート氏の「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門」(春秋社, 1999/11)という本に最近はまっている。学生の頃から尊敬していた「サピエンス全史」(河出書房新社, 2016/9)などで有名なユヴァル・ノア・ハラリ氏がその著書の... 2023.01.07 精神医学
精神医学 本能・不安・幸せに関する考察 精神科診療を行なっていると不安や恐怖という感情がいかに人の行動を支配するか痛感させられる。程度の差こそあれ、自分の行動も、ほとんど不安と恐怖、もしくはそれらを避けるための行動として理解できる。 進化心理学の主張を大雑把にまとめると、... 2022.12.20 精神医学
精神医学 弁証法的行動療法 境界性パーソナリティ障害を含め、強い感情に圧倒され苦しむ人は多い。精神科に通う人も、無縁な人も、喜怒哀楽(特に怒・哀)が強すぎて毎日が苦しい人は多くいるだろう。その強すぎる感情を、抗不安薬や抗うつ薬で少し和らげることはできるが、完治は難し... 2022.09.19 精神医学
精神医学 外科と精神科の違い 外科と精神科では、治療方法・患者の性質・忙しさなど、誰でも想像がつく相違点がたくさんあるが、実際に働き始めて驚いたのは、看護師やソーシャルワーカーの治療に関する裁量の大きさに関する違いだ。 精神科外来においては、来院してから帰るまで... 2022.08.05 精神医学転科
精神医学 リストカットの効用 頻繁にリストカットを行う20代の患者さんに、リストカットにはどんな効果があるのかを聞いてみたことがある。 その患者さんはとても知的で、普段から文章を書く人であったため、どんな表現をするか楽しみであったし、教科書の一文よりも得るものが... 2022.08.05 精神医学