外科に進んだ後輩から、仕事が辛すぎて休職しようか、医局を変えようか、転科しようか迷っているという相談を受けました。
彼は真面目な人間なので、頼まれたら断らず、どんな小さな仕事も丁寧にこなしていたのだと思います。
外科系の科は、どれほど要領が良くても、体力があっても、無限とも思えるほどやるべきことがあります。
仕事が終わっても、手術の練習だったり、時には時間外労働を無視して、緊急オペに挙手することも求められるような環境です。
自分には続けていくことは難しかったですが、そのような環境で何年も仕事をしている彼らに対し、畏敬の念を覚えます。
実際に転科をして思うのは、同じ病院の中ですら、科が変われば価値観もガラッと変わる、ということです。
善と悪が180度ひっくり返ります。
残業をしないことが悪の環境もあれば、残業をすることが悪の環境もあります。
人は追い詰められると、つい自分のいる環境の価値観が全てだと思ってしまい、それに適合できない自分を責め、無力感に苛まれますが、実は外に価値観の合う環境があって、その中ではストレスなしに生きていくことだってできるかもしれません。
中高生や医学部生の頃を思い返すと、価値観が合わないと感じても、自分を押し殺して適応することが正しいと思っていましたが、転科を経験してからは居心地の良い環境を求めることに素直になりました。
もちろん、全てを環境のせいにしていると何者にもなれないと思いますが、全てを自分のせいにしてもダメだと思います。
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