転科をするまでは、転科とはとても珍しい経験だと思っていた。
もちろんネットで検索すれば転科経験者の記事はたくさん見つかるが、身近には感じていなかった。
ところが、久々に初期研修病院の同期の同窓会に出席したところ、転科済み、もしくは転科を検討中の同期が数名いた。
これには驚くとともに、決して自分だけが変な行動をしたわけではないのだと、安心感を覚えた。
昔お世話になった恩師や、今所属している組織の上司の顔を思い返したりすると転科は不安でしかないが、その不安を乗り越えることは、決して自分だけに起きた特別な現象ではなかった。
いくら客観的な事実を突きつけられても、本当にそれを身近に感じなければ、自分の行動には影響させることができないのは、人間らしいといえば人間らしい。
ただもし、転科に迷ったあの時、恐怖から転科を諦めていたら、同窓会で転科した同期の話を聞いたときに、強い後悔に襲われただろうと想像できる。
本当に転科を決意してよかった。
転科に限らず、人生における大きな選択は、本当に精神をすり減らす。
しかしその選択は、たまたまその時出会い、偶然身近と感じた人や情報によって決まってしまう。
特に転科に関しては、頻繁にある経験ではないし、リスクを伴うから、誰かに相談しても転科しない方が良いと言われることが多いのではないだろうか。
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