辞めづらさとの戦い

転科

「医局を辞める」

これは生半可な覚悟では出来ない恐怖の決断である、、、

と思っていたが、実際辞めることを伝えたときは拍子抜けしたかのようにあっさりと受け入れられた。

「残念だけど、きっとたくさん考えて決断したんだろうから、止めはしないよ」と。

インターネットで「医局、辞める」などとググると、教授に恫喝されたなどの怖い話が複数出てくる。

それを読んで心底ビビっている時もあったが、実際はそんなことはなかった。

とはいえ、職場を辞めるのが難しいことには変わりない。

お世話になった上司、同僚、後輩、そして今の進路を後押ししてくれた恩師、恋人、家族など、「転科」などとは口が裂けても言いたくない他者がたくさん思いつく。その一人一人に転科の言い訳をするところを想像しただけで全てが嫌になってくる。

私がこの戦いを終わらせることができたのは、

「結局自分以外だれも自分の人生の責任をとってはくれない」

という明らかな事実を繰り返し確認したからだ。

一時は裏切ったように感じるし、実際に相手も裏切られたと思うかもしれないが、それで自分が潰れてしまっても相手は同情するだけで何もしてくれないし、逆に転科によって生き生きと生活していればそのうち相手もそれに慣れて満足するだろう。自分が思っている以上に他者は自分の進路に興味がないと思う。

仕事を生活の手段にすることに私は反対で、これほど毎日多くの時間を割く人生のパーツである仕事は、より良いものを求めて本気で考え、迷い、誰に反対されようと自分を信じ突き進むことは、絶対に奨励されることであると思う。もちろん仕事はお金を稼ぐ手段でもあるが、お金を稼ぐ手段を楽しめるようになったら人生はとっても楽しいと思う。仕事の選択は、どれほど真面目に向き合っても足りないくらい重要だと本気で思う。

コメント

  1. you より:

    今まさに退局交渉を進めている専攻医のものです。
    同期や上司を裏切ったような気持ちになってしまうのは何故なのか分かりませんが、人生で感じてきたストレスの中でもトップクラスのストレスを感じてしまい、日常生活にも影響が出ています。
    記事に出てきた、「結局自分以外だれも自分の人生の責任をとってはくれない」という言葉に非常に共感しました。周りに相談する事も難しい中ですが頑張ってみたいと思います。記事の作成頂きありがとうございます。

    • サン より:

      コメントいただきありがとうございます!人生トップクラスのストレス、自分も本当にそうでした。長く、孤独な戦いですが、頑張ってください!