新専門医制度の中での転科の難しさ

転科

私の場合、転科をしようと思い立ってから、実際に行動に移すまでに、1ヶ月ほどかかりました。

というのも、調べれば調べるほど転科が大変そうに思えたからです。

まず、簡単に転科までの流れを紹介します。

①現職を続けながら別の科の病院見学をする

②転科先の病院から内定をもらう

③現職のプログラムの責任者に転科の許可をもらう

④所属する領域学会(私なら外科学会)の許可をもらう

⑤専門医機構に転科を申請し、許可をもらう

⑥専攻医プログラムに申し込む

⑦1次募集に受かればok、落ちたら2次募集へ・・・

⑧退職の日まで現職を続ける

次に、それぞれのステップにおいて、どのような困難があるかを説明します。

①現職を続けながら別の科の病院見学をする

転科を検討していることなど、口が裂けても現職の上司には言えません。

しかし多くの病院見学は平日しか対応してくれないため、なんとか理由をつけてお休みをいただき、病院見学に行きます。この過程は、様々な意味ですり減らされます。

②転科先の病院から内定をもらう

「転科組」というハンデを背負いながらの応募ですから、内定をもらえるのかとても不安です。実際に転科した感想としては「転科」が評価を下げることはなかったですが、結局自分の心の中で「転科」が負い目となり、面接時の自信の無さや、転科しようという意気込の喪失に繋がります。

③現職のプログラムの責任者に転科の許可をもらう

このステップは転科組のみに存在するもので、初期研修医には不要です。現職の上司・同僚・後輩に申し訳ない気持ちを抱えつつ、怯えながら転科をする旨を伝えます。ネット上にはしつこい引き止めにあった話や教授に脅された話などありましたが、自分はあっさり受け入れられました。理解のある上司に感謝しています。

世の中では転職は当たり前ですが、医師の世界ではまだまだ少数派です。乗り越えるには強い意志が必要です。

④所属する領域学会の許可をもらう

これは許可を貰うというよりは報告するという意味合いが強く、断られることはないようです。

⑤専門医機構に転科を申請し、許可をもらう

このステップに2週間ほど要します。現職の上司に転科の許可を貰うのにどれほど時間がかかるか分かりませんが、専攻医プログラムの申込みは11月上旬なので、9月中には現職の上司に転科を申し出る必要があると思います。

⑥専攻医プログラムに申し込む

内定と現職上司の転科の許可さえ貰っていれば、このステップはただの事務作業です。

⑦1次専攻に受かればok、落ちたら2次募集へ・・・

1次募集に落ちるのは最悪のケースです。専攻医プログラム応募の前に現職の上司に転科を宣言する必要があるため、必ず内定を持った状態で転科に臨む必要があり、この点が転科を難しくしています。私の場合、都内精神科は倍率が高く、ビクビクしていました。どの病院も、内定を出すことは公にはしていませんが、実際はほとんどの病院が内定をだして欲しい人員を確保していると思います。

⑧退職の日まで現職を続ける

生き地獄、、、

かどうかは自分の振る舞い方と上司の配慮次第です。

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